ひさしぶりに

このコーナーだけが、この仕様もないブログのアイデンティティーな気がするので、たまにはやらないと。という勝手な使命感を感じる今日この頃w


そんなこんなで本日ご紹介するのはコチラ。


重野なおき先生著、白泉社様より発行のジェッツコミックスより、

信長の忍び 1 (ジェッツコミックス)

信長の忍び 1 (ジェッツコミックス)



コチラは、その題の通り、かの信長公に仕える忍びを主人公にした4コマ漫画です。

書店にて、「4コマだから、A5サイズだろう」と勝手に思い込み、まんがタイム系の4コマがよく置いてあるコーナーばかり探していたら、
コチラ、


B6サイズでした…。


どうりで何件も回っても見つからないわけで……。


で、内容はというと、まず一言でいって面白いです。
ちゃんと4コマ漫画をやっていながら、しっかりと歴史に矛盾せずに話が進んでいました。
特に、おちゃらけたキャラクターとして描かれやすい今川義元がいい感じにキャラ作りされていたと思います。



以下、話がそれます。


 上でも書いた今川義元ですが、彼は“東海一の弓取り”と称され、戦国時代において一番初めの“戦国大名”だとも言われている偉大な人物です。


 戦国時代では、応仁の乱より室町幕府が衰退し、各国の治安は幕府依存から守護大名による地方自治に頼るようになっていったと思われます。
 そして、その国ごとの治安を守る法律を分国法というのですが、今川義元は彼の国の分国法『今川仮名目録』にて、「幕府に頼らずとも、今川家は自力で領地を治めているので、守護不入権は認めない」としました。
 この“守護不入権”とは、当時の幕府から各村に認められていた租税に関する権利で、「守護には年貢を収めないでも良い」というものでした。
 つまり義元は、『今川仮名目録』にて幕府統治からの独立、それも他国に先立って行った人物なのです。


 では、なぜ世の中には、そんな彼をおちゃらけたキャラクターとして描く作品があるのか。
 それは、彼の名を悪い意味で有名にした“桶狭間の戦い”に原因があると考えられます。“桶狭間の戦い”にて、彼は数で圧倒的に有利であったにも関わらず、雨の中奇襲を受けて敗戦してしまいます。この時、民から献上された酒や粽を堪能していた、というエピソードが、彼をそんなキャラにしてしまったのでしょう。
 また、蹴鞠に没頭していたと言われる彼の息子・氏真が関係しているのかもしれません。


 ですが、私が考えるもう一つの原因として“若き信長の対戦相手”であったことに原因があると思います。
 戦国時代を語るにおいて、“織田信長”“豊臣秀吉”“徳川家康”は外せない存在です。そして、その3人の中でも信長は一番年上であり、その彼の偉業の最初の一歩として“桶狭間の戦い”は物語の序盤に描かれることが多いでしょう。
 すなわち信長主観の物語において、今川義元=1番最初の敵、というイメージから、三下扱いされているのではないでしょうか。



 とまぁ、長々と書いてきましたが、歴史というものは主観・客観によって、その記録の内容は大きく異なりますし、大河ものは基本的にフィクションなので、その解釈・表現はハッキリ言って自由でいいと思います。(個人的にも、戦国BASARA本多忠勝の設定とか、戦国無双風魔小太郎のシナリオは、とても面白いと思います)
 が、モチロンそれを受け取る側にも好みがあるわけでして、つまるところ、私は義元公を威厳ある人物に描く作品に好感が持てる、という話でした。